限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【アメリカの今】アメリカ人がどれほどインフレに困っているか

インフレにこりごりのアメリカ人

 このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。

 ギャラップが、家計が直面している経済的問題は何か?との調査で、3年連続でインフレ/生活費の高騰を1位に挙げました。1位インフレ41%、2位住宅費の高騰14%、3位借金の返済8%です。2位の住宅費もインフレ由来であり、3位はインフレを抑えるための高金利も影響しているでしょうから(4位は医療費7%)、とにかくアメリカ人の多くがインフレを深刻に受け止めていることを示しています。
   高齢のアメリカ人(50歳以上)の46%がインフレに言及しているのに対し、若いアメリカ人(50歳未満)は36%です。
 また、インフレは、低所得のアメリカ人(世帯収入が4万ドル未満のアメリカ人の31%)よりも、中所得層(46%)と高所得層(世帯年収10万ドル以上のアメリカ人の41%)が深刻だと答える割合が高いです。意外な感じもしますが、要は低所得者はいつも生活が厳しいのですが、それ以上に中間層が崩壊して、かつて得られた生活レベルを失いつつある、という解釈も出来るかと思います。合わせて、例えばカリフォルニアではコロナ前の2019年は最低賃金が12ドルだったのに対して、現在は20ドルまで高くなっており、最低賃金で働く層に関して言えば物価上昇率よりも賃金上昇率が上回っている側面もあると考えられます。
   もう一つはハーバード大学の政治経済学のスタンチェバ教授の調査です。教授の調査ではアメリカ人の70%が「インフレは経済の悪い指標だ」と答えています。また、2020年以降、データ上はインフレ率よりも賃金上昇率が上回っているのにもかかわらず、現実のアメリカ人の80%が物価の上昇が賃金を上回っているとも回答しています。マクロ経済上は現在のアメリカは好景気です。しかし、多くのアメリカ人は好景気を実感することなく、インフレに悩んでいることを示しています。経済指標(データ)というものに意義が多い理由も分かる気がします。
   この調査によると、アメリカ人が好ましいインフレ率は0.2%であり、アメリ連邦準備制度理事会FRB)が目指す2%のインフレ率とも大きく乖離しています。
    日本も同様かも知れませんが、様々なデータだけでは生活感は計れず、また、経済学上の理論値では幸せを導けないことを表していると思いました。

アメリカ人の率直な感想

 ちなみにこの記事では日本のYahooと同様にコメントがついていますが、もっともグッドボタンを押されたコメント上位3つを紹介します。

 ①インフレは全ての人々にとって税金のようなものだ。政府は税収が増えて良いのだろうが。民間支出より政府のバラマキが悪影響をもたらしているし、これが止まる気配が無いよ。

 ②2020 年に私が普通預金口座に持っていた 1 ドルは、現在 80 セントの価値しかない。私はもう働いていないので、賃金上昇の恩恵が受けられず、永遠に貧乏になります。それがインフレが私に与える影響です。

 ③(①への返信コメント)過去のインフレは原油の高騰など政府の外部の問題で引き起こされたが、今は政府のバラマキによって引き起こされている。FRBは政府の支出を止める権限が無いから政策金利を高くしているが、物価高だけではなく、この高い金利に我々は苦しめられている。

 というものでした。この記事は直訳すると「アメリカ人は好景気なのにインフレを嫌うのか?」ですが、大量の「どこが好景気だ‼」「こんなもの好景気ではない」との意見で溢れかえっています。アメリカの庶民にとっては苦しい時期なのだと実感しました。

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:Why Americans are feeling bad about inflation despite a good economy (yahoo.com)
引用:Americans Continue to Name Inflation as Top Financial Problem (gallup.com)