限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【アメリカの今】インフレで米国人の60%が生活ギリギリの厳しい生活

 living paycheck to paycheck

 「living paycheck to paycheck」という言葉があります。 paycheckは給料の意味で昔は check(小切手)で給料が支払われていたところからきた言葉だと言われています。この表現は一般的に、突然失業した場合に基本的な生活費をを支払うことができない、つまり経済的に全く余裕の無い人々を指します。つまりその日暮らしですね。そういう人々がアメリカでは60%に上るという調査があります。
メットライフ生命のレポートでは、自身がpaycheck to paycheckであると答えた人は55%に上ります。他の調査ではPYMNTSドット・コムのレポートで、年収5万ドル未満(750万円)の米国成人の76%がpaycheck to paycheckで生活しているのに対し、5万ドルから10万ドル未満(750万円から1500万円)の成人では65.9%、10万ドル以上(1500万円)では47.1%となっています。平均すると60%のアメリカ人がその日暮らしをしている事になります。米連邦準備制度理事会(FRB)の「Economic Well-Being of U.S. Households in 2022」報告書による家計に関する調査では、アメリカの3分の1に上る人が、何かあった際に緊急的な資金として400ドル(約6万円)を用意できないと答えています。
ちなみに、年収が25万ドル(約3750万円)以上の米国人の3分の1余りは、給料を使い切るような生活をしています。米国の全ての所得者層にとって、インフレがいかに家計に大きな影響を与えるかを表す数字であるとしています。年収25万ドルはアメリカ人の収入の上位5%と言われていますが、このクラスでも生活に行き詰まり感があるというのは日本では考えられない数値です。
この背景には、高額額化する住宅ローン、同じく高額化する学費の返済(奨学金)、自動車ローンが含まれるほか、医療費が高く、医療費の支払い(出産では2万ドル(およそ300万円)がかかると言われています)、健康保険の支払いなどが家計を圧迫し、コロナ前などのインフレ前に確立した生活を維持するのに、現在の給料では成り立たなくなっている現状があります。
ただ、アメリカの消費の強さは日々報道されているところでもあり、インフレマインドが強いアメリカ人らしい現象でもあるのかもしれません。日本なら一斉に消費が冷え込み、節約に走るのでしょうが、そういう面が無いのはアメリカ経済の特徴なのかもしれないとも思います。

増え続ける家計の借金

マクロ的な数値で言うと、ニューヨーク連銀のレポートでは、2023年第4四半期の家計債務残高の合計は2,120億ドル(31兆8千億円)増加し、2023年第3四半期から1.2%増加しています。
現在のアメリカ人家計の総借金残高は17兆5,000億ドル(2625兆円)で、パンデミック不況直前の2019年末から3兆4,000億ドル(510兆円)増加しています。好調なアメリカ経済の陰には家計の莫大な借金があります。そして、その借金の延滞率が増加しています。年率換算すると約8.5%クレジットカード残高と自動車ローン残高の7.7%が延滞されています。昨年はアメリカ人の35%がクレジットカードでの借金をしており、一昨年の29%から6ポイント増加しています。クレジットカードの負債残高は、170兆円を超えています。そして、利上げの影響で、このクレジットカードの金利は上がり続けているため、現在は21%を超える利率となっており、借金を借金で返すいわゆる自転車操業の人々も増え続けていると言われています。

今回取り上げた数値はアメリカ経済の負の側面になります。インフレを背景にした、厳しい生活と借金が、今後のアメリカ経済に及ぼす影響は少なくありません。ソフトランディングをするだろうとの見方が圧倒的な現在のアメリカ経済ですが、完全ではない事をこれらの数値が物語っている気もしますが、いかがでしょうか?

当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用はYoutubeの「モニカちゃんねる」は、アメリカの経済の今を知ることで、これからの経済を見通し資産形成などに役立てるコンセプトです。私も見習って、しばらくの間、アメリカ経済について感じたことを書いて来たいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

引用:【家計の実態!】80%が毎月生活ギリギリ 新たな調査で発覚 (youtube.com)

  :米国クレジットカード延滞率12年ぶり高水準 金利高、堅調消費に影 - 日本経済新聞 (nikkei.com)