限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

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【アメリカの今】ウォルマートの店長の年収8268万円‼驚愕の給料‼

スーパーの店長の年収が1億円近くに

 このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。

 世界27か国で約11,300店舗、アメリカ国内50州で約4,800店舗を展開する世界最大の小売り企業であるウォルマート(ちなみにコストコは全米でもおよそ600店舗)の新給与プランが発表されました。最高額53万ドル(8,268万円)の内訳として、米国の店長の平均基本給は11万7000ドル(1,825万円)から12万8000ドル(1,997万円)に引き上げられ、薬局や自動車整備工場まで併設したスーパーセンター(大型店舗)の店長の基本給は17万ドル(2,652万円)になるそうです。そして、業績ボーナスが最大で200%加算なので、これらの基本給の2倍のボーナスが出ます。さらに、ウォルマートの株式取得助成金が2万ドル(約300万円)出ますので、合計53万ドル(8,268万円)となります。

 アメリカは学歴社会です。大学院(博士課程)400万ドル(約6億3千万円)大卒280万ドル(約4億4千万円)高卒160万ドル(2億5千万円)と明らかに差がつきます。ウォルマートは高卒者でも就職できますので、非大卒の給与として53万ドルは大変に魅力的(驚異的)な金額となりニュースとなりました。

 ウォルマートの店長の仕事はハードです。何百人もの従業員のスケジュールを管理し、配送車の到着を把握し、顧客のためにガソリン給油ポンプさえ操作することがあります。ある店舗では朝7時から10時間勤務し、6マイル(約9.7キロメートル)歩き、200人の人間と会話していました。2010年代にウォルマートは管理職の大幅なリストラを行い、一部の社員に多大なしわ寄せが行ったため、同業他社より高い離職率に悩まされてきました。同業であるホーム・デポ(約2300店舗)やターゲット(約2000店舗)の2倍近い離職率になっていました。

 青線が他社、黒線がウォルマートですが、コロナ時の2021年頃は他社が10%台前半なのにウォルマートが20%を超えているのが分かります。ハードな仕事に低い給与で退職者が急増していったのが分かります。ウォルマートは現場管理職の約75%が時間給労働者としてキャリアをスタートさせており、いわゆる「現場を熟知した叩き上げ」ですが、彼らが次々と離職することで生産性の低下が深刻となりました。
 そこで、給与水準を一気に上げる事や従業員に業務用アプリをインストールした携帯電話を配布して、店長は売り上げから配車、従業員の誕生日(こういうところの個人情報への感覚は日本と異なります)まで把握し、生産性を向上させました。売り上げは4年間で3割増えたと言われます。また、店長の裁量も増やし、仕入れ品目の裁量権を持たせることでモチベーションのアップと現場に即した商品のラインナップがなされるようになりました。この他にも、出産を控えた女性への母性支援など福利厚生も充実させています。
 アメリカは雇用の流動性の高い労働市場ですが、やはり現場を重視し、従業員に報いる体制を取ることで企業は成長していく可能性を改めて示したと言えると思います。

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:Walmart store manager says he 'almost fainted' when he found he could make up to $530K under a new pay plan (msn.com)
引用:ウォルマート店長、年収50万ドル超えも夢じゃない-離職阻止で大改革 - Bloomberg
引用:【スーパーの店長年収8000万円!】 小売店業界の人員獲得競争! (youtube.com)