限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

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【アメリカの今】富裕層へ増税をした州から富裕層は実際に逃げたのか?

マサチューセッツ州増税

 このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。

 全米で最も裕福な州の一つと言われる州にマサチューセッツ州があります。人口700万強の都市で、州都はボストン。平均所得が最も高い州です。ちなみに、上位3位と下位3位を上げておきます。
1位、マサチューセッツ州 :$76,600(約1187万円)
2位、ニューヨーク    :$74,870(約1160万円)
3位、カリフォルニア   :$73,220(約1135万円)

50位ミシシッピ州      :$45,180(約700万円)
49位アーカンソー州          :$48,570(約753万円)
48位ウェストバージニア州:$49,170(約762万円)

 マサチューセッツ州には全米で最も豊かな都市ウェルズリーがあます。全米で平均所得が30万ドルを超える9都市のうち6都市はカリフォルニア州にあります。東海岸には2つしかなく、そのうちの1つがウェルズリーです。ボストンからそれほど遠くない辺境の町であるウェルズリーは、平均収入が367,801ドル(5700万円)となっています。人口の60.7%が年間20万ドル以上を稼いでいます。住宅の中央値はなんと約200万ドルで3億円以上することになります。

 マサチューセッツ州の州税は累進課税をしておらず、誰でも4%の州税でした。隣のニューハンプシャー州も同じフラットで4%です。しかし、マウラ・ヒーリー知事とヒーリー知事を支援する州議会議員は、年収100万ドルを超える富裕層にさらに4%の計8%課税をすることとなりました。

 当然、反対意見も出ます。先に挙げた通り隣の州であるニューハンプシャー州はフラット課税の4%のままです。また、州税のない(代わりに消費税があります)フロリダ州などに富裕層は逃げるだろう、そして、州全体の税収も減るだろう、と主張し、ヒーリー知事と対立し、反増税キャンペーンを張りました。今もその主張は続いています。

増税の結果

 結果は、マサチューセッツ州は18億ドル(約2790億円)の税収増となりました。また、州内にあるタフツ大学州政策分析センターが発表した報告書によると、マサチューセッツ州の世帯の1%未満に課税が適用されること、また、高所得者層が他の州に引っ越す可能性はあるものの、転出者の数は少ない可能性が高いとの分析結果が出されています。
   ヒーリー知事の事務所は「いわゆるフェアシェア税の資金は、州内の公立学校に通うすべての児童に無料の昼食を提供するなど、交通と教育の促進に充てられている」としており、州の発展に寄与していると主張しています。

 もちろん、課税強化にも限界はあるでしょうし、今後の動きも注目されるでしょうが、JFケネディ大統領を産んだこの街には、歴史と文化があり、課税が納得のいくものであるなら増税も受け入れられるという事の証明の一つになったと思います。

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:Massachusetts declares early victory in taxing the rich | Fortune
引用:America's Upper Class: 9 Cities Where The Mean Income Is Above $300,000 | GOBankingRates
引用:Tax Foundation | Principled Research. Insightful Analysis. Engaged Experts.