限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【アメリカの今】米ディズニーが従業員から集団訴訟にーインフレの影響もー

ディズニーワールドへの転勤での集団訴訟

 このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。

 ディズニー社は、企業経営改革の一環としてデジタル技術、財務、製品開発部門の2,000人もの労働者が、巨大なウォルト・ディズニー・ワールド・テーマパーク・リゾートから約20マイル(30キロメートル)離れたキャンパスに異動すると、2021年に発表していました。
    ディズニー社の機能の多くは、ディズニーパークのあるカリフォルニア州アナハイムとディズニーワールドがあるフロリダ州オーランドにあります。そのカリフォルニアから2,000名もの労働者の大規模転勤が行われることとなりました。
    もともと、フロリダ州はディズニー社の投資を受けるため、特別地区とした一部の地区に対して様々な女性や権限を付与するいわば特権的な優遇策を施してきました。その流れの中の一環としてのフロリダ州でのディズニー社の機能拡大策でした。
    しかし、政治によって大きくこの流れが変わります。フロリダ州知事で将来の大統領候補と言われるデサンティス知事の存在です。保守派のデサンティス知事は、幼稚園から小学校3年生までの性的指向性自認に関する指導の禁止などの州法を制定しました。これが反LGBT政策にあたると、多くのリベラル派が反対運動を起こします。そして、ディズニー社もこの法案に対して正式に反対をしました。
    デサンティス知事はディズニー社への報復措置として、特別地区でのディズニー社への優遇や権限の付与を打ち切る決断をしたため、ディズニー社でのフロリダ州での機能拡大策は一度白紙に戻りました。

コロナ渦からインフレの波に

 ご存じの通りアメリカでは雇用は強く守られません。カリフォルニア州からフロリダ州への移転について、多くの労働者が反発したものの、将来を心配する多くの労働者がフロリダ州への移転を受け入れました。

もう決めたことだから、さっさと転居してね

カリフォルニアの自宅売ってフロリダの家買いました

2021年と言えばコロナ渦の最中です。その中で、労働者たちは住み慣れたカリフォルニア州の自宅を売却し、フロリダ州に居を構えました。全米で極端なインフレ(資産バブル)が起きるところです。ディズニー社の従業員は、価格が上がる前のカリフォルニアの自宅を売った訳ですが、2023年5月までに10億ドルをかけて作る予定だったキャンパスそのものが白紙になりました。従業員はさぞ困惑したことだと思います。
   結果、カリフォルニアに戻ることになった従業員が出ましたが、フロリダにディズニーの投資が望めないということで、フロリダの住宅価格は下落しました、反面、カリフォルニアの住宅は驚くほど価格が休場します。また、インフレに伴い住宅金利も急上昇しています。そのため、従業員は大幅な資産価値の下落や金利の負担、住宅環境の劣化の現実に直面し、その損害の賠償を求める今回の訴訟となりました。
   従業員からすれば、確かにディズニー社を恨みたくなる気持ちもわくでしょうね。
   ちなみに、2024年6月に入り、紆余曲折を得てフロリダ州と和解したディズニー社は今後20年間でディズニーワールドに最大170億ドルを投資することと引き換えに、地区がインフラを改善することを約束することや、特別地区の権利を15年復活させる署名が成立しました。しかし、今回の問題である2000人の労働者の処遇ははっきりしたことは発表されていません。現在のままなら裁判は続けられることになります。

テキスト政治と経済が密接し、企業が人権問題に意見を表明するアメリカならではの出来事です

当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:Workers sue Disney claiming they were fraudulently induced to move to Florida from California | AP News