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【アメリカの今】TikTok禁止・売却とアメリカ政府~アメリカ世論のデータも含めて~

TikTokをめぐる経緯

 

 ショートムービーアプリ、TikTokは中国の企業であるByteDance(バイトダンス)社が、2016年にサービス提供を開始しました。国別でみると、6億人が使っている中国は別として、ユーザー数が圧倒的に多い国は米国で、約1億5千万人以上のユーザーが同アプリに登録しています。インドネシアは2位で約1億260万人、3位のブラジルでは約9,900万人となります。ちなみに、日本は2千6百万人です。
 このTikTokを巡るアメリカ政府の対応を簡単にまとめました。
 さかのぼると2020年にトランプ大統領SNSアプリ微信(WeChat)とTikTokなど8つの中国製アプリ等は利用者の位置情報や閲覧・検索履歴などを含む大量のネットワーク関連情報を自動的に収集しており、それらの情報が中国政府に渡り、米国の安全保障上の脅威となるとして大統領令にサインしたのが公式な政府の動きの始まりです。そして、TikTokの米国部門の売却を求めていました。しかし、米連邦地裁が憲法上の表現の自由などを害するとして一時差し止め命令を出し、政府も停止措置を見合わせていました。オラクルやウォルマートが手を挙げていた米国部門の買収も膠着したままの状態が続きます。
 その後、バイデン大統領になり、2121年6月9日、それらを撤回し、新たに米国の機密情報などの保護に関する勧告を含む大統領令に署名しました。要は、「ちゃんと安全性を証明すればTikTokを使っていいよ」という事になります。しかしながら、中国脅威論が米国内で盛り上がり、対中強硬政策を米国政府が始めると、世論も政府も変わります。「外国敵対勢力が管理するアプリから米国人を保護する法案(以下、法案)」が検討されるに至りました。

アメリカ社会の受け止め方

 アメリカ世論としては、ハーバード大学等の調査によると、法案を支持するかどうか聞いたところ、「支持する」と65%が回答しました。支持政党別では、「支持する」の割合は、民主党支持者(66%)、共和党支持者(66%)、無党派(64%)でほぼ差がありません。年代別では、若年層(18~24歳)のみ「支持しない」が57%と過半でした。25~34歳では、「支持する」が51%、「支持しない」が49%と拮抗(きっこう)し、35歳以上では、「支持する」が6割を超え、55歳以上では7~8割を超えました。表現の自由言論の自由と対中問題のはざまでアメリカ人も意見が分かれていたことがうかがえます。
 米国議会は、2024年4月23日に、TikTokの規制や売却に関する「外国敵対勢力が管理するアプリから米国人を保護する法案」を賛成多数(賛成352票(民主党155票、共和党197票)、反対65票(民主党50票、共和党15票))で可決しました。今後、TikTokは米国内で禁止になる(はず)です。しかし、この紆余曲折を見る限り、まだまだ、どうなるか分からない気もします。ByteDance(バイトダンス)社も司法省長官を相手に法案は違憲であると告訴をしています。ちなみに、最初にTikTokを禁止したトランプ氏は、最近では、TikTokを禁止すると、Facebookを強くし過ぎてしまう、とTikTokの規制に慎重になっています。これは、トランプ氏は自らがFacebookのアカウントを禁止され、メタ社を恨んでいるからとも言われています。もしトラがあれば、また、違う動きになる可能性もあり得ます。あるいは米国企業に売却され、新たなSNS勢力が出来上がるかもしれません。興味があるところです。
 しかし、出来るなら、日本人政治家の意見も聞いてみたいものだと思いました。

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引用:https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/04/3c37773d311c994a.html