クリスマスプレゼントの返品も常識⁉
全米小売業協会等が発表したレポートによると、2024年の小売業での返品は133兆円(8900億ドル)に上る見通しとなりました。アメリカではオンラインショッピングの比率が高まり続けています。実店舗での返品率は約5%にとどまるものの、オンラインでは3倍の約15.2%の返品率になると言われています。
アメリカの小売業者は年末商戦ではかなりの返品が見込まれるため、小売業者の34%が返品処理専属スタッフを雇うほか、40%の企業は返品を他社に業務委託するそうです。
アメリカでは返品が当たり前に認められる文化があります。今回のレポートでは76%が「オンラインで買い物をする際、無料返品は重要な考慮事項」と回答しており、半数近く(46%)は「小売店の返品方法が便利ではなかったので、購入しなかった」と答えています。ただし、不正返品も急増している。小売業者の大多数(93%)が、小売り詐欺やそのほかの搾取的行為は自社ビジネスにとって深刻な問題と回答しており、返品問題は重大かつコストのかかる深刻な課題となっています。
そして問題となっているのが「ブラケティング」です。例えば、5色の服があれば5色をいったん購入して試着し、気に入ったものを1着だけ購入するものです。結果、全く購入しないこともあります。
全世代、特に若年層の間で広まっており、18~27歳のZ世代では51%がブラケティングに関与したと回答しています。かなりの数ですね。
当然、返品にかかる物流管理コストは上昇します。企業の間では返品手数料の徴収や返品規定を見直す動きが出ており、過去1年間で66%の小売企業がコストを相殺するため、1つ、または複数の返品方法に手数料を課すようになったと回答しています。アマゾンは返品頻度の高い商品に対して、返品手数料を上乗せするようになったほか、小売り大手のターゲットは不正が疑われる返品の返金拒否できる権利を設けました。
便利なサービスを乱用しているアメリカの消費社会の実態があります。
オンラインビジネスが隆盛になり、この傾向は変わらないのかもしれませんが、デメリットも多く、大きな問題となっています。クリスマスパーティーでのプレゼント交換は(返品できるように)レシートを当然のようにつけておく人も多いとか。。。
日本でもブラケティングが行われない保証はありません。出来れば、企業と消費者がWIN-WINの関係になるようになってほしいものです。