限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・節約・雑記です。

40代サラリーマンです。地元と東京を行き来する日々。自分の興味があるアメリカ経済や投資、節約術、子育て、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【貧困】機能不全家庭に生まれた氷河期がおっさんになって思う事

 貧困について 

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(※ご指摘を受けて一部追記しました。要旨は変わりません。)
近年、貧困の記事をよく見かけます。特にコロナになってリーマンショック時の時のように貧困で悩む人の記事が掲載され、それについてYahooのコメント欄などには自己責任論とそれを否定するコメントが溢れます。

昨年の自殺者は20,189人と10年連続での減少となりましたが、今年は残念ながら自殺者が急増しています。自殺の本当の原因は他人はおろか本人すらわからないケースもあると言われていますが、厚労省、警視庁の分析によると、このうち経済問題とされる人は3,395人です。ただ、仕事の悩み1,949人や最大に要因である健康問題9,861人や介護疲れの243人も健康を損なったことによる将来の生活の不安の増大や医療費負担など経済的要因も含んで悩んでいる人は相当数いたと思いますし、介護もお金で解決できる部分もあるわけで、お金の問題は様々に人を悩ますのだろうな、と思います。

(こちらの数字は分析上、重複して集計されています)

 自分のケース

私のケースですが、私の実家はある商売をしていました。祖父が戦後始めたもので高度成長期は良かったものの構造的な不況により父の代で倒産しました。当時は取り立ての制限などない時代で随分と賑やかな(?)少年時代を過ごしました。金貸しに10歳で胸倉掴まれてぶるんぶるん揺さぶられたり、差し押さえの際に裁判所の人間に「親探して来い」とか怒鳴られたり、今じゃ考えられないことがいっぱいありました。

バッサリ商売を畳んでしまえば良いかとも今更ながら思うのですが、運転資金は個人保証必須だったり商売人同士で互いに連帯保証人になったりと泥沼です。仕方なく一家総出で働くのですが、収入が上がれば税金も健康保険も上がるわけで結局、思ったより返済は進まず、堕ちるところまで堕ちて行きました。家を追い出されて団地に引っ越し、ペットと別れたのが何より辛くて未だにペット飼う気はありません。母の実家から送られる農作物で生きていたようなものです。あれは税金も社会保険料もかかりませんから。

 

そうやって貧乏でいるとどうしてか周りの友人も貧乏な奴ばっかりになっていきます。ゲームのカセットだって持っている者同士の方が楽しいしですし、今思い返しても金持ちの友人はいませんでしたね。成績も悪い子ばかりでした。住んでいるところ自体、裕福じゃないですしね。

 

中学に上がるとちょっと様子が変わってきます。部活を始めたのですが、中学程度の運動は人を選ばないわけで、お金持ちも成績優秀な子もいました。自分もバカなりに成長してくるので、お金のあるなしというものが徐々に分かってきます。生まれながらの差というものです。成績優秀なのは極わずかな例外を除いて広い家に住んでいる子で、自分の周りの中にはだんだんとグレていく子もいます。中には何も言わない親もいるのでしょうが、私が知ってる幾人かの親は何とかタバコを止めさせようとしたり、近所の低額学習塾とかに行かせようと努力するんですが、シングル家庭だったり、ダブルワークだったりと親も何かと目が行き届かない。余裕がないんですよね。子供は寂しさもありつつ、様々な問題を抱えた家の子同士分かりあえる部分もあって仲が深まっていきます。劣等感もあるのでしょう。自分もそうです。でも、それを真正面から受ける術がない年齢です。そういう中でちょっと無鉄砲だったり、投げやりだった連中は、誰だかわからない「上」がいる不良ネットワークに引き込まれて、有無を言わさずいろいろやらされたり、たまにおこぼれで同世代よりいくらかの小銭と小さな優越感を得てなかなか抜け出せなくなっていきます。そのまま今も何してるか分からない奴もいます。高校に進学してもまず私立は高いから無理で、公立でそれも成績が和悪い学校に行くので荒れていましたね。私が入学した高校は1クラス40人で2年に上がるときには30人余りに減ってました。喧嘩、タバコ、出産、理由良くわからないけどいつの間にか・・・まあ、次々と減っていきました。

今はそういう連中とはほとんど付き合いがありませんが、地元で偶然顔を合わせたり、同級生から噂を聞くとあまり恵まれて生活をしているとは思えません。

シングル家庭支援とか母子支援に反対する人、あまり快く思わない人ってたくさんいると思いますし、正直、いくらお金を突っ込んだとて救えない人もいるのは事実だと思います。しかしながら、いくばくかの支援でなんとか生活をつなぎ、そこから仕事を得て家族を得る人、独身なりに気楽に生きてる人もいるのをみると、落ちぶれたとはいえ世界3位の経済国なんだから支援くらいすればいいじゃないかと思います。文部科学省の令和2年度ひとり親家庭等自立支援関係予算って元年より“減って”4,189億円で、それなりに大きいように見えても、労働者に酷税を強いて苦しませてる額でもないような気もしています。いいんじゃねぇのそれくらいって個人的に思うんですが。もちろん貧困対策はひとり親支援だけではありませんが。

 

私は塾の費用もなく、ろくすっぽ食事もないような家庭で電気ガス止められても、なんでグレなかったかというと、単に勇気がなかったのと、節目ごとに祖父母が死んで「ちゃんと大学だけは出てくれ」とか言い残すもので、それとなく高校卒業までおとなしくしていただけでした。グレるにはタイミングが悪かったんですね。暴力嫌いだし。ひきこもるお金もない。これは今でもそうですが。持って生まれた間の悪さは一生変わりません。

どうでもいいのですが、電気とガスは止められても何とかなるんですが水道だけはダメですね。あれば地獄です。だから、最後に止まるのは水道なんだと思いました。

運よく 進学できた

さて大学受験です。氷河期世代団塊ジュニアの流れで人数は多く、ただ、既に少子化の声もあった(思うと既にあったんですよね。ただ、あの時代は貧困の問題という声はなく、完全にジェンダーの問題として議論されていました)ので、それほど大学の合格枠は広げられず、受験は厳しかったです。不合格です。当然、浪人する金もなく高卒の就職には間に合わず、港湾事務所で掃除のバイトしてました。堤防で昼飯を食いながら「お、なかなかデカいエイが泳いでる」なんてのん気に過ごしてました。

そんな時、祖父母4人のうち生き残ってる祖母さんに説教されつて、大学を受けなおしたら受かり、入学金の半分のお金を出してもらい(あとから他の親せきから大ブーイング状態だったのを知りました)説得されて、奨学金等々とあわせて準備し入学しました。Fランって言うそうですが、そういう大学です。正直、行ってなんか意味あんのかな、とも思いましたがとにかく通いました。

結論から言うと大学ってのは行っておくもんだと思いました。バイトで金貯めて初めての海外経験やら、自分で課題を見つけて、自分で調べてレポートにまとめるというのはしたことがない(平たく言えば自ら考える習慣が全くない)自分にとっては面倒でしたが、それなりに役に立った経験だった気もします。その時の友人はいろんな業界にいて、助けてくれたこともあります。

ネットではFランなんて必要ない。そんな大学さっさと潰して高卒で働けばいい、という人を見ます。どうも、三流大学を潰せば、自分なり、自分の子どもなりが行っている(目指している)一流大学に予算が回り、学費が下がり、教育環境が整備され、有為な人材がたくさん生まれるかのように思っているようなんですが、慢性赤字で構造的経済縮小の日本で、そんな高等教育予算枠なんてものはありません。潰れたら、潰れっぱなしで浮いた金は医療の補填にでも使われるのが落ちでしょう。運営できるうちは教育機関は残しておいて良いと思います。アメリカにいたとき東欧からの移民の知り合いがレストランでパーティーをしていたので聞いたら「俺は一族で初めて大学を出たんだ。その祝いだ」と言っていました。ローカルな大学で、その人は40代くらいだったように記憶していますが、こういうのも良いんじゃないかと思います。

 氷河期なりの就活

そして就活となると、本当に就職先がなくリクルートスーツは夏場の汗でズボンがガビガビになり、秋になっても決まらず、もうコートがいるんじゃないか、という時期になって、1社地元の中堅企業に決まりました(1社別に内定があったのですが今でいう明らかなブラック企業でした)。職種も企業も選ぶ余裕などなく、大学も当てにならない時期で、やけくそで、求人募集していない企業にも一部単語と名詞を変えただけの手紙を書きまくっていたのが当たって「入社できるから入社した」だけです。事務所の移転にともない急な退職者が数名出たための急な採用募集をかけようとしていた時だったのを後で知りました。

今、非正規雇用で大変な人もいますが、紙一重というか運次第だったとしか思えません。

当時は就職浪人も考えましたが、友人に「空白期間は作るな(言っちゃ悪いが特にお前は・・・というのを暗ににじませながら)」とさんざん言われ、その企業は給料はそれほどでもないのですが、わりかし地元では安定していたのと、ボロボロながら独身寮があったこともあり入社したのです。入居すると本当に汚い社宅で共同便所のドアが外れかけてて半開きで用を足してました。ただ、何より安かった。光熱水費、消耗品費(電球とかトイレットペーパーとか洗剤)を合わせても1部屋5千円くらいでした。共用の台所もあって、テレビとか結婚する先輩からもらえたので初期費用もかかりません。就職したばかりの頃こそ車を買ったのでお金がありませんでしたが30歳くらいになるとそこそこお金が貯まってました。その後リストラも経験しましたし、当時の足の引っ張り合いでメンタル不調はずっと続いてます。

運よく資産が 

その頃はバブルがはじけてだいぶたち、不動産価格は底値でした。ある時、親類から競売物件で良い物件が近所に出ているから金を貸してくれないか?と言われました。どうも金にだらしがない親戚なので私が入札して、返せそうなら物件を渡すことにしました。木造の築30年過ぎた家です。かつては競売物件と言うと暴力団も堂々と入札していたのですが、暴排法などが出来てきて、しかし、サラリーマン大家というのもそれほど一般的でもなく、割と安全に安く買えたわずかな時期だったのです。300万円でした。知人に相談すると反対され、不動産投資も良くわからなかったのですが、お金が帰ってこないなら家が残りますし、ざっくり計算すると貸せば損するとも思えず、また「家を持ちたい」という気持ちがあったのが本音でした。ずっと羨ましかったんですね。マイホームに住んでる奴。家があればペットとも別れずにすんだのにとずっと思っていました。家さえあれば何かあってもなんとかしのげるよな、みたいな感じです。結局、親戚は金が用意できず私の物件になりました。激安ボロ屋なのに、なんか、心についていた垢みたいな劣等感が少し消えたのを思い出します。自分には社宅があったので人に貸そうとしたら、思った以上に修繕があって、焦りました。貧しかった分、知らない分野の企業というものを信用していないこともあって、自分で大工の一人親方を探したり、畳屋を探したり、自分でホームセンター行って材料買い込んだりと時間と手間がかかりましたが、いくばくか家が少しは綺麗になり、ようやく借り手がつきました。社宅に住んで給料を貰いながら家賃も入ってくると貯金はさらに増えます。修繕費などの工夫も覚えてきます。なので、もう1軒、また1軒、その合間のキャッシュは株や社債の運用などで少しでも増やして、キャッシュで購入していき、今は本当のマイホームも買えました。会社から遠いですけどね。。。しかも、今は東京に来てるから住めてないし。。。

生きていく知恵を 

振り返ると、ただ運が良かったなと思うばかりです。こういう具体的に生きる知恵って誰かが教えた方が良いような気もします。例えば家族住宅としては足りないワンルームとか資産価値が低い再建築不可物件、旧法借地権とかでも取り合えず住まいがあったほうが生きていく上で、経済的にも気分的にも楽です。一軒家は修繕費が高い、と言います。この間、住友林業の家を冷やかしがてら見てきたのですが、木造の良い家でした。あれを修繕するなら同じ住友林業に直してもらった方が良いでしょう。そうしないとつぎはぎになってしまいます。ただ、普通の木造建築なんて手持ちの金がないなら無いなりに直しようはあります。

貧困問題の記事では多くが、賃金カット、クビ → 家賃が払えない → 住まいを無くす → 住所もないから新たな就職先が決まらない となっています。突っ込みどころはありますよ。マスコミが極端に報じてるケースも多いと思いますが、それでも、何で、ここでこうしなかった?と言おうと思えば言えるんですが、貧困ってのはコレステロールみたいに気が付いたら全身の血管にこびりついていてなかなか離れてくれないんですよね。

実際は、仕事があるうちに中古車1台分の金で住所を得ることは可能で、貸していくらかのお金になることもあるし、貧困の危機にある人にとってとても役に立つことだと思います。リボ払いしてる場合じゃないだろって誰かが教えた方が親切な気がします。

私は運だけで、ここまで生きてきて、たまに、親戚に金貸して戻ってこなかったり、株で溶かしたり、結局、小金持ちにすらなれそうにない今日この頃です。でも、何とか食べていけそうな気もしてます。

今の世の中は自己責任論が強すぎる気がします。貧困層があふれるとかえって社会的経費がかさみ、いまや内需中心の日本経済の消費も戻らず、さらに貧しく税金の高い国になるのですから、貧乏人の数は減らした方がエスタブリッシュメントな方々のためにもなるんじゃないかと思います。足の引っ張り合いはやめた方が精神衛生上も楽なように思うのですが。。。

 

長すぎてつまらなさすぎて読む人もいないと思いますが、万が一最後まで読んでいただいた方がおられたら平に礼を申し上げます。

 

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