地方自治の違い
アメリカ大統領選挙が佳境に入っています。民主党と共和党が競い合っています。両党は端的に言えばリベラルな民主党に対し、伝統を重んじる保守派イメージの共和党ですが、各州の「地位実政府ランキング」で、具体的な違いがはっきりしているのでご紹介したいと思います。
首都ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所の調査結果ですが、「小さな政府」(政府支出や国民負担が小さな政府)の観点に基づき、減税と歳出削減を行った州知事が高い評価、増税と歳出増加を行った州知事が低い評価となるよう、100点満点の評点と、A~Fの評価をつけました。
各州政府が州内の事業活動に関する雇用法や税法などを独自に制定していることから、アメリカ人がどこに住みたいかの目安になっており、例えば、税金の高いニューヨーク州より税金の安いフロリダ州に移住する人もいたり、あるいは、日本や他の外国企業が進出する企業の拠点設置の目安にされてもいます。
A評価を受けたのはアイオワ、ネブラスカ、ウェストバージニア、アーカンソー、サウスダコタ、モンタナの6州の知事で、いずれも共和党の州知事です。最も評点が高かった中西部アイオワ州(81点)のキム・レイノルズ知事については、2017年の知事就任以降、同州の一般会計の歳出は年間2.3%の増加にとどまる一方で、法人所得税は9.8%から5.5%に引き下げられたほか、個人所得税は最大8.98%の9段階制から一律3.8%に引き下げられたことが小さな政府を確立したとして評価されました。
一方で、最も低いF評価を受けたのは、ミネソタ、ニューヨーク、メーン、ワシントン、デラウェア、ウィスコンシンの6州で、いずれも民主党の州知事です。最も評点が低かった中西部ミネソタ州(19点)のティム・ウォルズ知事については、2019年の知事就任以降、低所得者に税額控除や給付金支給を行った一方で、企業や高所得者に対して増税を行ったほか、大幅な歳出増加を推進したことでF評価となりました。
共和党と民主党の政策の違いがはっきりと出ています。アメリカの政治には拒否感を持つ方もいらっしゃるでしょうし、政府と財政については様々な考えがあると思います。しかし、「選択肢がある」という意味ではうらやましくもあります。日本の都道府県知事選挙と言えば、相乗り候補が多選で代わり映えのない自治を行っているように見える面もあり、日本の地方自治ももう少し変わればと思います。
地方創生と言って、中央政府が一律にバラまくのではなく、もっと、各自治体が政策を競わせてほしいな、と思いました。
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