限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

アメリカで人気のある日本アニメ、コンテンツとその売れ方や問題点について

ANIME・MANGA

 経済産業省の管轄団体が「アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート
(米国有識者インタビュー等に基づく分析レポート)」というものを出しました。アニメなど世界のコンテンツ産業は123兆円にもなります。その中で日本のコンテンツの輸出額は約4兆円。まだ伸びしろのある産業として政府が注目している分野です。アメリカの専門家がどのように日本のアニメ、コンテンツを見ているのか日本のアニメがどんな売れ方をしているのか、抜粋してみました。
 米国で、圧倒的な知名度を持つ、ハローキティですが、一時期、人気が米国で低迷しました。キティはコンテンツのみで、ストーリーがないからです。そこで、2019年に YouTube チャンネルで「Hello Kitty and friends」と紹介し始めて、各キャラクターにパーソナリティが付くとともに、新しいファン層を獲得することができたそうです。(ただし、日本ではハローキティの人気が根強いが)世界ではもはやシナモンロールクロミマイメロディなど他のキャラクターの方が人気が高いとのことです。米国でのサンリオファンは、6〜11 歳の YouTube チャンネルを観てファンになった世代、「Kawaii」が流行って、サンリオブランドにもっと親しんでいる GenZ 世代(12〜27 歳)に加え、実店舗での購買を通じてファンとなったミレニアル世代(28〜43 歳、この世代は子ども世代へ普及させる役割も担っている)がコアなファン層。子ども世代ほどハローキティが好きで、少し大人になると他のキャラクターに分散していく構図になっていくそうです。
 動画配信(ストリーミング)サービスでは、キャラクター販売においては、例えば「ぐでたま」「アグレッシブ烈子」のようなキャラクターコンテンツを Netflix で配信することにより、より広い顧客層へのリーチにつながったそうです。ただ、アグレッシブ烈子は、動画はヒットしたのですが、キャラクターグッズは米国市場への投入に時間がかかり過ぎてあまり売れなかったそうです。
同じくNetflixですが、ハリウッドスタジオによるアニメの実写版の放映により「ONE PIECE」では、実写版を見た人がアニメにも興味をもち、アニメシリーズを見るようになるなど、ファン層が拡大したとのことです。
 漫画が漫画として売れたケースもあります。暴力や性的表現がないマンガを紹介しやすい図書館は、読者がマンガに触れる貴重な機会である。現在人気の「葬送のフリーレン」も図書館がきっかけで注目が集まったとのことです。アメリカの図書館から、葬送のフリー連の人気が出たというのは意外でした。
 一方で、日米で顧客層やその嗜好が必ずしも一致しない点もあります。例えば、「ルパン三世」、「名探偵コナン」シリーズは米国では日本ほどの知名度はありません。しかし、米国における「ドラゴンボール」はアニメの同義語といえるほどの人気を誇っており、また、「鋼の錬金術師」、「DEATH NOTE」なども、日本市場以上に長きにわたってファンに愛されているアニメの一つであるそうです。

ルパンやコナンも面白いけどね。

ドラゴンボールハガレンは鉄板だね。


 「NARUTO-ナルト-」や「僕のヒーローアカデミア」はグッズ販売が良好です。専門店から売れ始め、今は一般の小売店でも販売しています。日本の場合、アニメのグッズなら、グッズのメーカーが小売店と交渉し販売戦略を練りますが、アメリカの場合、アニメの権利をもつ出版社などが、グッズの販売戦略も手掛けます。このあたりは、リスク分散化がメインで、調整に多くの時間を費やし、また、市場が狭いため、小売店も同一販売日をまもってくれるなどの商習慣のないアメリカでの成功を難しくしています。さらに、日本の場合、グッズ販売を多数のメーカーに任せるため、さらに調整時間がかかり、タイミングを逸してしまったり、正規品の投入が遅い分、模造品が出やすい状況になっています。一つの作品を一気に盛り上げようとしない日本企業は、アメリカ企業に後れを取っていると言えます。
 今後とも日本発のコンテンツが売れていくと良いなと思いました。

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:地域・分析レポート | 海外ビジネス情報 - ジェトロ (jetro.go.jp)