限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

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【円キャリートレードの終焉】日本円が米国株式市場を切り裂く‼

急激な円高がもたらすもの

 CNBCの記事です。日本円の円高、利上げがアメリカ株式相場に多大ない影響を与えるのではないかとの説が出てきており、それを報道しているのでご紹介します。
    投資リサーチ・ポータルERICのラッセル・ネーピア氏は、マクロ戦略レポートの中で、投資家は日本の金融政策の変化が米国金融市場に与える影響やアジアがアメリカに与える影響に多くの投資家が驚いているとしています。
  「過去数十年間、アメリカは経済的にも金融的にも、アジアなどの金融政策の影響をほとんど受けない」と考えていました。しかし、米国株価下落と円高が起きています。
 日本の通貨は対米ドルでここ1ヶ月で約8%上昇し、金曜日には1ドル148.84円で取引された。1986年12月以来初めて1ドル=161.96円まで円安が進んだ7月4日の米国休日前とは対照的です。
 円高は、いわゆる「キャリー・トレード」(投資家が円のような低金利の通貨で借り入れ、その資金をより収益率の高い通貨で再投資すること)の終焉を意味するのではないかとの憶測を呼んでいます。

キャリートレードの終焉?

要は超低金利の日本で調達した資金を米国市場に流すことが無理になってくるかもってことだね。

 ネーピア氏は、最近の日本円の上昇を例に挙げ、円で調達した借金を市場から回収する投資家からの売り圧力が米国株の価格を押し下げ、一方で米国債の利回りは低下し続けたと指摘しました。
 「米国株式市場がこの円高にこれほどネガティブに反応するのは、今後の展開を示すものであり、米国株式が世界の通貨システムといかに相互関係にあるかを投資家に示すものです」とネーピア氏は語っています。

キャリートレードの崩壊

 雇用統計の低調などが経済見通しの悪化懸念を促し、米国株は今月に入って急落しました。弱いデータから投資家は、連邦準備制度理事会FRB)が景気後退を食い止めるための利下げに乗り遅れているのではないかと懸念しています。
   木曜日のダウ平均は500ポイント近く(1.2%)下落し、S&P500種指数は1.4%、ナスダック総合株価指数は2.3%下落した。
 調査会社BMIのセドリック・チェハブ氏は金曜日に、過去約10日間の間に複合的な要因が作用していると述べています。
 その複合的な要因のきっかけとして「まず、利上げを続けると発言したタカ派的な植田日銀が短期的なキャリートレードの崩壊を引き起こしました。また、米国の製造業に関する悪いデータや、雇用に関するいくつかの指標が市場を停滞させました」と語りました。
    「そして一夜にして、いくつかの主要企業の決算が大きく乱高下しました。これらすべてが、かなり割高だった株式市場をさらに押し下げる要因となっています」とチェハブ氏は続けました。通常ならこの時期から10月に向けて株価は騰がる時期でもあると付け加えました。    

早期警戒指標

 これとは別にネピア氏は、最近の米国株の下落は円キャリートレードの投資家に大きな影響を与える可能性が高いとみています。「日本の金融機関が日本当局の指示に従って(日本国債を)購入するために、ドルを売らざるを得なくなるのと同時に、キャリートレードの投資家もドルを売らざるを得なくなっているためです。」

日本企業も日本国債を買うためにアメリカから資金を引き揚げてるんだね

で、利上げによって、日本で資金調達してアメリカで投資してたアメリカ人も資金を引き揚げる。ダブルパンチだね。

 ネーピア氏は、ここ数週間の円相場の動きと米国株価への影響は、「外国人投資家が長期に渡って自国への資本還流の時期に入ったとき、米国が持続不可能な良好な状態を維持することの難しさを示す早期警戒指標となる 」と結論づけています。

 日本の超低金利の資金が米国市場に流れ込んで米国の株高を維持していましたが、それは今後も続くとは限らないだろう、ということです。日本円がある意味で再評価されている事でもあるので、興味深かったので要約を掲載しました。

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:Carry trade: How Japan's yen could be ripping through U.S. stocks (cnbc.com)