限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・節約・雑記です。

40代サラリーマンです。地元と東京を行き来する日々。自分の興味があるアメリカ経済や投資、節約術、子育て、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

誰?NISAを富裕層優遇批判って誰が批判してるの???

NISA富裕層批判ってどんな勢力???

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NISAの恒久化が見送られました。理由としては「富裕層優遇」です。これについてはネットでも批判が多く、「わずか数十万円の優遇措置など富裕層は関係ないのではないか」と言った意見が多くみられます。
私も同様の意見なのですが、そもそも、富裕層優遇と批判してる人は誰なんでしょうか?国の制度ですから、誰か1人とか1団体という事ではないにせよ、国の税制である以上、批判する人の意見を知りたいと思いました。しかし、金融庁の資料や各種審議会の資料を見ても「富裕層優遇」と直接批判する勢力は見られませんでした。

 

NISA導入の経緯

 

ちょっとさかのぼります。元々、株式の譲渡益は2002年まで26%の申告分離課税と売却額の1.05%でした。(今は復興税も乗ってます)そして2001年証券税制改革と2003年度税制改革により配当と譲渡益の20%課税に変更しつつ、投資推進のため5年を限りに10%へ税額を軽減されました。その後、延長も経て軽減税率は廃止され、代わりに100万円以下の配当・年500万の譲渡益は10%として確定申告することとなりました。しかしながら、確定申告が必要なうえに、余裕資金を持つ高齢者では一般家庭でも配当金100万円を上回る人も多く、批判が出ました。ここがポイントで、高齢者は特に所得の変化に敏感です。収入の多寡に応じて年金から医療費まで変わるため、シルバー層の批判が多く出ました。政府内では、2008年に自民党の「高齢者の安心と活力を強化するための合同部会」において高齢者のための優遇措置を設けることも検討されましたが、見送られました。このあたりから、要は富裕層というより高齢者への世代優遇をするか否かになっていたことが分かります。
その後、2009年には経過措置を経て株式への譲渡課税率20%にする代わりに、英国のISAを基にした、日本版ISAつまりNISAの誕生となります。ちなみに、この時代に民主党政権が生まれ、課税下限額500万円が300万円に引き下げられています。民主党政権としては株式への税制が富裕層優遇措置と捉えられたわけです。

NISAの誕生

そして、NISAが始まったのですが、このNISAは金融庁の調べて、投資総額の64.9%を60歳代以上の高齢者が占める結果となりました。新規の資金を呼び込むよりも資金にゆとりのある投資経験豊富な高齢者が、NISAに乗り換えただけ、という結果となり、課題として残りました。
現在の制度のNISAはidecoと並び、投資市場に新規の資金を流し込む、という「市場活性化」公的年金の不足に備えて、現役世代の「年金の補完」を推進する、という2本柱が議論の大前提になっています。現在、世代間格差が問題となっています。特に現役世代の年金の補完がNISAが建前である以上、高齢者がNISAを使い結果として新たな資金の流入も少なく、税収も減っているのでは、何の解決にもならないと見なされたようですね
それならいっそ、一般NISAも50歳代以下にしてしまえるかといえば、さすがに高齢者から大変な批判を受けることは間違いありません。

 

富裕層優遇批判の「富裕層」「批判」とは

 

結果として、NISAの恒久化が見送られました。産経新聞では「高齢者層の頻繁な売買が目立つ」と、そっと書かれています。
富裕層というのは「高齢者」を指し、批判というのは「世代間格差論の高まり」だということと思いました。どうなんでしょうね。真正面から議論して欲しいですけどね。政治家もマスコミも。

 

考えちゃいます。皆さんいかがでしょうか?