アメリカの富裕層の資産管理
このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。
アメリカの富裕層の定義をご存じでしょうか?
high net worrth(富裕層)・・・・・・百万ドル(1億5千万円)
very high net worrth(超富裕層)・・ 5百万ドル(7億5千万円)
ultra-very high net worrth(超超富裕層)30百万ドル(45億円)
となっています。
そこで、アメリカでブラックロックに次ぐ規模の投資顧問・資産運用バンガードの資産運用の調査レポートと専門家の分析によって、アメリカの裕福な世帯がどのように資産運用をしているのかまとめました。バンガードはジョン・クリフトン・ボーグル(愛称:ジャック・ボーグル)によって設立されました。彼は世界で初めて個人向けインデックス・ファンドを設立した「インデックス・ファンドの父」として広く知られています。
対象はバンガードに口座を持つ資産50万ドル(7,500万円)以上の顧客を分析したもので、中央値は100万ドル(1億5千万円)であり、また、不動産などの資産は除く世帯であり、富裕層のカテゴリーに属します。
彼らの金融財産の内訳が最初に出ている表になります。コロナのパンデミック直前の資料ですね。
この表によると資産構成は次のようになります
・65%株式(エクイティ)
・25%債券(ボンド)
・10%現金(キャッシュ)
個人金融資産2100兆円のうち半分が現金の日本とはかなり異なります。積極的に投資をしている姿が見えます。これは、アメリカ人の気質もさることながら、1970年代にオイルショックに端を発するインフレに対して、資産を防衛するために株式投資が盛んになったと言われています。この50年ほどの歴史がこのような資産構成生み出しています。
次の表は年齢別にみる資産構成です。45歳未満の人たちは77%を株式に投資し、54歳以下は73%を株式に投資します。これが65歳以上になると60%となり、債権の割合が増えて比較的安定した資産投資をしていることがうかがえます。
アメリカの億万長者はタイミングを見ない
アメリカの億万長者の世帯が市場のタイミングを計ろうとしていないことを示唆しています。継続して一定の投資を行っています。これは2015年から2019年にかけての比較的穏やかな市場拡大の結果ではありません。2020年3月のコロナショックによる市場暴落の際、バンガードの投資家のわずか11%がアクティブな取引を行いました。つまり狼狽して株を売った人はあまりおらず、およそ90%の富裕層はコロナショックを切り抜けて、コロナバブル、そして現在に至る株価高騰の恩恵を受けて十分に資産を増やしていることを裏付けています。
また、同レポートでは、アメリカの億万長者が資産クラス内の証券をどのように選ぶかというと、その答えは「分散投資」です。富裕層が行う投資商品の選択を見ると、大多数が投資信託(分散投資信託)を使用しており、そのうちの3分の1しか個別の証券(つまり、個別株)を所有していないことがわかります。つまり、タイミングは見ずに時間も銘柄も分散しながら投資を行い資産を増加させているのです。
これは、見習うべきところも大きいと思います。新NISAなども始まりましたが、やはり、資産生成は長期、分散が大切だということを実感させられる調査結果でした。
いかがでしたでしょうか?「投資家は、『稲妻が輝く瞬間』に市場に居合わせなければならない。」というチャールズ・エリスの言葉が出てきます。
当ブログにお越しいただきありがとうございました。
参考:Of Dollars And Data – Act Smarter. Live Richer.