金利20%のクレジットカードを使うアメリカ人
このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。
昨年、アメリカ人のクレジットカード残高が1兆ドルを超えました。生活や消費に与える影響が懸念されているところです。データで内容を見ていきたいと思います。
アメリカ人の5人に3人以上(61%)がクレジットカードの借金を抱えており、平均残高は5,875ドル(約91万7千円)です。そして、カード利用者の約23%が毎月新たに借金を背負っています。そのためか、カード利用者の約37%が、借金が原因で思い通りの生活ができていないと回答しています。
アメリカの個人消費の底堅さとも言えるのですが、カード利用者の約52%が、クレジットカードを持っていなかったらお金を使うのが減ると回答しており、これは、現金よりもカードを使った方が支出が多い傾向があるという心理学の研究結果と一致しているそうです。日本人は貯蓄に走りがちと言われますが、アメリカ人は消費に走りがちなんですね。それが、経済を活性化させていることも見て取れます。
カード利用者のアメリカ人の約40%は5年以上借金が継続しており、15%は2008年以前から借金を抱えています。生活していてほぼ借金をし続けている人が多いんですね。
平均的なカード利用者は 毎月約1,506ドル(約24万円)をクレジットカードに費やしており、年間約18,072ドル(約282万円)です。
そして、そのカード利用の仕方と意識ですが、約43%が、収入よりも多くのお金を使うことがあると答え、22%がクレジットカードの支出をまったく理解していないと答えています。いくら借金があるのかすら認識していないって怖い事ですね。
そのためか、毎月の手取りの約30%をクレジットカードの支払いに費やしており、 カード利用者の約42%が、期限内に支払いを行うことがストレスになると回答しています。その中で28%がクレジットカードの請求額を支払えないと答えています。実際に2023年にはカード利用者の7人に1人が支払いを滞納しています。
なぜ、クレジットカードの借金がかさむのか
ここまで、クレジットカードの借金を重ねる理由ですが次の通りとなります。
1位・・・インフレーション (65%)
2位・・・別の借金の返済のため(55%)←半数が自転車操業ですね。
3位・・・浪費(49%)
4位・・・休暇のため (46%)
5位・・・病気や医療上の緊急事態(42%)
やはり、インフレの影響はかなり大きいようです。そして、そのインフレを抑えるために高金利政策をとり、結果としてカードの金利は現在は20%を超えている以上、支払いはさらに苦しくなる、という悪循環に陥っています。
アメリカ人の53%が一度はクレジットカード利用限度額にしたことがあり、そのうち29%は毎月限度額に達しています。アメリカ人の約7人に1人(15%)が、自分の与信限度額すら知らないと答えています。かなり深刻な事態に陥っているアメリカ人が多いですね。日本では考えにくいのではないでしょうか?
ちなみに問題意識がゼロという訳ではなくこんな結果も出ています。
・クレジットカードは無責任な支出の原因になると考えている(70%)
・金利上昇がクレジットカードの借金に与える影響を懸念している(57%)
・クレジットカードが無ければ、使うお金は減るだろうと考えている(52%)
消費(浪費?)するアメリカ人の実態を垣間見た気がしました。これ以外にもデビットカードの与信枠やBNPN(一時的後払い)を多用するアメリカ人も多く、それがアメリカ経済の一端を支えているのだと思いました。
当ブログにお越しいただきありがとうございました。
引用:Americans Average Nearly $6,000 in Credit Card Debt (2023) (listwithclever.com)