限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【アメリカの今】高金利で商業用不動産危機・地銀危機がささやかれている事について

リーマンショック以来の危機!?

アメリカの商業用不動産の不振が昨年から騒がれています。モルガン・スタンレーのストラテジストは「現在の商業用不動産不況は、ファイナンシャルクライシス(リーマンショック)時より悪く危険な状態である」と警鐘を鳴らし、話題になりました。この商業用不動産不振の原因は、コロナ渦を経て、オフィスの稼働率が下がり、空室率が急上昇したこです。それによって、現在の高金利政策による債務の返還が滞る可能性につながり、商業用不動産をメインに融資している地銀が危機に見舞われるのではないかとの懸念が広がっています。米国では在宅勤務がかなり浸透しています。一例としてマンハッタンでは、一部でオフィス回帰が進んで、フルリモートで働く人の割合は2022年4月の28%から2023年9月の6%まで減少しました。しかし、フル出社した人は8%から12%に増加したに過ぎず、コロナ禍前の働き方に戻っているわけではありません。週3日出社した人が17%から44%に増加したように、在宅と一部出勤という状況に変わりはなく、今後もオフィスの需要が増えるかは不透明なところだと言われています。

米国での不動産ローンは、住宅用ローンが30年固定金利なのがメインなのに対して、商業用不動産は5年に1回金利の見直しをすることが商慣行となっています。昨年から今年にかけて、商業用住宅ローンの2兆9000億ドル(435兆円)の50%以上が金利の見直しの時期に来ており、金利の上昇に伴い延滞が発生するのではないかと心配されている状況です。昨年、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の相次ぐ破綻が問題となりましたが、オフィス不動産の不振により新たな金融危機が発生する可能性はゼロではありません。日本ではあおぞら銀行の不振がストップ安を呼び、アメリカではニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)が商業用不動産で予想外の引当金を計上して、米国での商業用不動産のリスクが顕在化しました。悲惨なチャートになってます。

しかし、悲観的なデータばかりではありません。住宅用不動産が変わらず堅調であることと、倉庫などのオフィス以外の商業用不動産が引き続き堅調に推移しています。ですので、リーマンショックのように想像を絶する大規模、大多数の銀行が関わるような事態にはなっておらず、金融界全体の危機というよりは、オフィス不動産に特化している銀行の個別行の問題として推移を見守るべきという意見も専門家から出されています。

上の図は、商業用不動産の延納率(赤線)が徐々に上向いてきていることを示しています。しかしながら、昨年騒がれたような大規模な金融危機とまでは言えない状況です。過剰な心配はせず、引き続きアメリカの金利政策の影響の一つとして見守る必要があると思いました。

当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用は「【リアルなアメリカ】モニカちゃんねる わかりやすく発信中 - YouTube
です。こちらのチャンネルでは、アメリカ経済の今を知ることで、今後の経済予想や資産形成に役立つ情報を出すというスタンスです。私も、このチャンネルに出会い、当面の間、アメリカ経済についてブログ記事を上げていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。