限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

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アメリカ小売り大手のターゲットが返品問題に一石を投じます

アメリカの返品問題

 アメリカでは小売りの商品は無料で返品できることが多いと言われています。消費者の権利が強い面もありますが、2000年代初頭にフットウェア小売業者のZapposとAmazonが無料返品ポリシーを導入して以来、小売業界はそれに追随するしかないのが現状です。
 しかし、この返品についてはアメリカでも大きな問題となっています。全米小売業協会(National Retail Federation)によると、米国の消費者は2023年には1050億ドル(約150兆円)もの返品を行っています。
 ECサイトと実店舗では返品率が異なるとされ、平均して、Eコマースの返品率は18.1%ですが、実店舗のリターンは8〜10%とされています。このうちEコマースでの返品の中で7.5%が不正な返品とされており、チェックを高めるよう企業側も防衛をしていますが、返品は増える一方とされています。
 ブラケティングと言われる、例えば5種類の色合いの服を買って1種類を選び残りの4種類を返品したり、ワードローブと言われる、結婚式の礼服などを購入し、実際に使用したのちに返品する人が後を絶たず小売業者は頭を悩ましています。また、万引きした商品を返品し金銭を得る完全な犯罪者も多いのがアメリカ社会の特徴とも言えます。
 ターゲットは未開封の商品については90日以内なら返品を認めるとしていますが、こんかいはそれに「ターゲットは、詐欺、詐欺の疑い、または不正使用を防止するために、返品、返金、交換を拒否する権利を留保します。」と返品ポリシーに付け加えることとしました。
 近年、売れ残りの廃棄物の量は210億トンにも上り、環境問題に負荷をかけるとともに、商品に廃棄コストがかかることによって消費者の不利益に直結するとも言われており、返品問題はその一端に関するものと捉えられています。日本でも返品問題については、アメリカほどの悪質さは無いとはいえ、他人事とは言えない面もあるのではないでしょうか?
 当ブログにお越しいただきありがとうございました。
引用:Customer_Returns_Report_2023_Final.pdf (nrf.com)