限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

全米でセルフレジ撤去の波‐激増する万引きー莫大な盗難被害ー

アメリカの万引き被害

 NRF(National Retail Federation, 全米小売業協会)の調査によると、アメリカの万引き被害は1,121億ドル(およそ18兆円)にのぼると言われています。ちなみに万引きが多い州トップ5は次の通りです。

1.カリフォルニア州ロサンゼルス
2.カリフォルニア州サンフランシスコ
3.テキサス州ヒューストン
4.ニューヨーク州ニューヨーク
5.ワシントン州シアトル

 アメリカでは治安の悪化に伴い、犯罪者が増えたことから、逆に少額の万引きは軽犯罪として刑務所への収容を逃れられるような状況になっています。カリフォルニアでは950ドル(約15万円)までの窃盗は軽犯罪扱いとなり、犯罪の増加に拍車をかけていると言われています。ニューヨーク州では1年に44億ドル(約7000億円)の万引き被害があると言われています。ニューヨークでは金額1000ドル以下が軽犯罪とされ、検挙数も少ないと言われえています。また、窃盗団がfacebookやebayなどで、万引き品を中心としたECショップを開き利益を上げている例も散見され問題になっています。

15万円の品物盗んでも軽犯罪って随分軽いな

 コロナショックから急激なインフレといったアメリカ経済の背景があるのでしょうが、それ以外にも原因としてあげられているのがセルフレジ(セルフチェックアウト)です。アメリカの大手小売業は次々とセルフレジの縮小、撤去を進めています。
 全米で4800店舗を運営するウォルマートニューメキシコ州アルバカーキにある3つの店舗からセルフレジを撤去しました。そして、その分析から、他州の店舗でも政府レジの撤去が有益とみて、セルフレジ撤去を進めていく方針だと発表しました。ただ、店員は不衛生な客やマナーの悪い客への対応を嫌がっており、スムーズにいかない面もあるようです。

ルフレジが行き届き過ぎて接客業務を嫌がってるんだね


    全米で1万9174店舗を持つダラー・ゼネラルは、万引きや誤スキャンの事例が多い300の店舗からセルフレジを完全撤去しました。また、9000か所にのぼるセルフレジの一部を今後有人レジに置き換えるということです。
   全米で1900店舗を運営するディスカウントスーパーのターゲットはセルフレジで購入できる品物を制限すると発表し増しました。ターゲットのサンフランシスコのベイエリアの店舗でセルフレジレーンを100回利用して6万ドル相当以上(およそ97万円)の商品を盗んだとして有罪判決を受けた女性のニュースが報道されました。小売店が日常的に万引きにあっていることを示す例だと市民に受け止められたようです。

 ニューヨークやカリフォルニアなどでは万引きの厳罰化を求める声も高まりつつ、しかし、州の予算の悪化で刑務所の予算大幅削減に乗り出すなど、この問題は混迷している気配すらあります。皆さんはどう思われましたか?

 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

引用:eBay and Facebook Marketplace fuel NYC's shoplifting economy (nypost.com)