限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

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【リアルな海外賃金事情⑧】福祉国家スウェーデンの平均給与と税と社会保険料について

福祉国家スウェーデン

北欧を代表する国家の一つで福祉国家と名高いスウェーデンについて書きたいと思います。人口1000万人余りの小国で、有名な福祉は、大学まで無料、医療は外来医療なら900クローネ(12600円)薬剤費は1800クローネ(25,200円)以上は基本無料であり、病気で休暇を取った場合14日間は企業が賃金を払い、その後は国が賃金を払ってくれる福祉大国です。ちなみに病院に行くとそのまま薬局にデータが行き、全国どこの薬局でも薬が受け取れる合理的な制度です。多剤投与などの問題も起きません。マイナンバーで揉めてる日本とは(良し悪しは別として)全く違う世界ですね。

しかしながら、その福祉を支えるためには高額の税金がかかります。いわゆる消費税は最高25%で、課税対象外、6%、12%、25%というような4段階になっています。ちなみに外食は25%、本や新聞は6%です。食料は12%と意外と高く設定されています。また、所得税は29%から35%と高く、さらに年収が602,600クローネ(およそ850万円)を超えるとなんと60%の超重税国家でもあります。

国を支えるため、移民に寛容(批判もありますが)であり、出生率は移民によって伸ばされており、原発推進、武器輸出にも熱心な国家でもあることはあまり知られていません。ちなみに、税金が高すぎて、若者が無料で大学を出たのに、そのまま外国に就職してしまうケースが後を絶たず、スウェーデンでの社会問題になっています。

スウェーデン人の給料

元ネタは経済産業省傘下の独立行政法人日本貿易振興機構のデータで、日本企業が海外進出する際に、現地でどれほどのコストがかかるのかを定期的に調査し公表しています。実際に日本企業が海外に進出する際のコスト計算の基礎となるデータですから信ぴょう性は高いと思います。今回はこの日本貿易振興機構スウェーデン中央統計局のデータをもとに日系企業スウェーデンに進出する際の平均賃金を掲載しているのでここに転載します。1ドル150円で計算しています。賞与は企業によりますが、多くの企業で支払われるので、年収は月収の13倍としています。

データ内訳
製造業
①ワーカー(一般工職) ②エンジニア(中堅技術者) ③管理職(課長クラス)
非税増業
①スタッフ(営業職) ②スタッフ(飲食)
のデータがあり、次の通りとなります。

製造業の場合 ①ワーカー   3,200米ドル(月給480,000円   年額6,240,000円)
       ②エンジニア  4,241米ドル(月給636,150円   年額8,269.950円)
       ③中間管理職  6,445米ドル (月給966,750円    年額12,567,750円)
非製造業の場合①スタッフ   4,349米ドル(月給652,350円   年額8,480,550円)
       ②スタッフ   2,826米ドル(月給423,900円   年額5.510,700円)

かなりの円安計算なので、それほど高いという感じはしませんね。ちなみに、この額から7%の社会保険(年金)が引かれ(事業者負担31.42%ですから企業負担も大きいことが分かります。)、先ほど挙げた所得税が引かれます。社会保険の企業負担は管理職ともなると60%の税金ですから、かなり厳しいですね。有能な人材の国外流出は深刻な問題ですね。

簡単ですが、福祉国家の賃金と税と社会保険料のお話でした。

当ブログにお越しいただきありがとうございました。