ドイツのサラリーマンの給与事情③
ここのところ、海外と日本の賃金事情を書いていますが、3回目になります。日本を抜いたドイツの賃金を調べてみました。
毎回書いていますが、この賃金の元ネタとしては、経済産業省の管轄する独立行政法人「日本貿易振興機構(ジェトロ)」です。この法人は日本企業と世界各国の企業、経済界との橋渡し役を務めており、日本企業がタイやベトナム、中国あるいはアメリカに進出して現地職員を採用した場合の平均賃金を都市ごとに算出し提示しています。
つまり、海外に支社や子会社、工場を持つ企業が実際に現地に進出する際にどの程度の賃金で人を雇えるのか企業が計算できるように国の機関が算出根拠をだしています。かなり信ぴょう性の高いデータといえるでしょう。
算出にあたってはいくつかの前提条件があります。ジェトロは職位を4段階に分けており、スタッフは下から2番目の職位(職業訓練終了レベル)、エンジニア、管理職は大卒を想定しています。
また、米ドル記載ですので、1ドル150円で計算しています。なお、ドイツの賃金は社会保険料を含めますので、医療保険14.6%(労使折半)、年金保険18.6%(労使折半)、失業保険2.1(労使折半)、介護保険3.3%(労使折半)があります。なお、ドイツは子供がいない人は介護保険は3.4%と高いのですが、ここでは除きます。ですので、19.3%が引かれるので2割ほど賃金が高く出ています。
ドイツの賃金
ドイツ(ミュンヘンの場合)です。
製造業の場合
①ワーカー 5,430ドル(月給814,500円 年額9,774.000円)
社会保険料控除(月給657,301円 年額7,887,618円)
②エンジニア 7,740ドル(月給1,161,000円 年額13,932.000円)
社会保険料控除(月給936,927円 年額11,243,124円)
③中間管理職 7.740ドル(月給1,161,000円 年額13,932,200円)
※データ上管理職とエンジニアは同額になっています。
非製造業の場合
①スタッフ 3,747ドル(月給562.050円 年額6,744,600円)
社会保険料控除(月給453,574円 年額5,442,892円)
※営業職
②スタッフ 2,401ドル(月給360,150円 年額4,321,800円)
社会保険料控除(月給290,641円 年額3,487,692円)
※飲食職
いかがでしたでしょうか?1ドル150円で計算してる面はありますが、日本人より高給ですね。社会保険料負担が2割と高額です。国としては豊かなドイツですが、物価高の高騰で個人の懐事情はそれ程でもないのかもしれないと思いました。なお、ドイツの場合、ある一定程度の賃金を得ているものは管理職的地位と見なされるケースがあります。ですので、能力給も高い熟練工がマネージャーというラインポストでなくとも管理職的な扱いとなるため、データが出しずらい点が注意点となります。
ちなみに、アメリカ(ニューヨーク・ハワイ)、韓国、台湾、タイ、ベトナムの賃金はこちらです。
【リアルな海外賃金事情】米国、韓国、中国、タイ、台湾等の普通のサラリーマンの給料を調べました。 - 限界ぎりぎりのサラリーマンのセミリタイアを目指す投資・節約・雑記です。
また、インド、アメリカ(ロサンゼルス)、スイス、イギリス、シンガポールの賃金はこちらになります。
【リアルな海外賃金事情②】インド、EU(欧州)シンガポール、カナダ、アメリカの普通のサラリーマンの給料を調べました。 - 限界ぎりぎりのサラリーマンのセミリタイアを目指す投資・節約・雑記です。
世界の賃金事情、いかがでしたでしょうか?国によってこんなにも違うものかと思い知らされます。
当ブログにお越しいただきありがとうございました。