アメリカ国内におけるもっとも優れた分散投資とはなにか
こちらの表は金地金などを販売保管するブリオンゴールドが発表した、アメリカの過去50年の投資のクラスごとの運用率です。ちょっと長いし目が疲れるかもしれません。
この50年の分析を元にアメリカで過去50年に何にどれくらい分散投資をしたら最適解だったのか分析結果が出ています。
・38%の米国の住宅
・24% 米国株
・18%米国債(10年物国債)
・16% ゴールド
・4% 米国REIT
トップは米国不動産なんですね。ずっと堅調に値段が上がってきた事、日本と異なり、新築から中古になると一気に販売価格が下がるような価値観がない事も考慮する必要があるでしょう。そして、2番目に米国株が出てきています。また、分散投資の代名詞的なゴールドが16%となっています。
流石に1970年代のオイルショックに端を発した時代は古すぎるのですが、近年に目を向けると、米国の投資資産のパフォーマンスは、コロナ禍前の2年間で目覚ましい活躍を見せ、2018年の銀行現金リターン(3か月物国債の年間平均利回りで)が2008年以来初めてインフレ率を上回り、米国株式の記録的な強気相場が終わりました。
その後、2019年には、株式、債券、不動産、コモディティのすべてが上昇し、米国のインフレを上回り投資によって安定的利益がもたらされる数年が続きました。そして、コロナのパンデミックにより金価格の過去最高値を更新し、さらに2022年のコロナからのコロナバブルが起きて、コロナによって下降していた米国株式市場の新たな急騰も見られました。これらを見ていると分散投資の重要性を感じます。
ちなみに、この最も最適であるパートフォリオと株式の中でも代表的インデックスであるS&P500のパフォーマンスを比較したものがこちらです。
意外と良い勝負なんですね。ただし、最適なポートフォリオは、S&P 500よりもボラティリティがはるかに低いにもかかわらず、それでも5年に1回は損失を出しています。つまり、どんなポートフォリオでも毎年勝ち続けることは困難であり、投資というものは長期間行わないとリターンを得られないということがはっきりします。最適なポートフォリオを日本人の一般投資家が組む事はまず出来ませんが、それに大きく劣らないインデックス投資も損をする年があります。これらのデータは分散を決めたら長期に渡って投資し続ける事の重要性を物語っていると思いました。「投資家は、『稲妻が輝く瞬間』に市場に居合わせなければならない。」ですね。
当ブログにお越しいただきありがとうございました。