限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

アメリカ・ソーセージが売れ行き順調なのは不況の兆し⁉

肉の代替品が好調

 ダラス連邦準備制度理事会によると、商品の売れ行きのカテゴリーでソーセージ市場が「緩やかな成長」を遂げていると報告されました。続けて、ダラス連銀は「このカテゴリーは、経済が弱まると成長する傾向がある」「ソーセージは高価なタンパク質の優れた代替品であり、消費者の食品予算を助けるものだである。」としています。
 ステーキ肉などからソーセージへの移行は、専門家が「トレードダウン」と呼ぶ行動も浮き彫りにしています。のんきな顧客は、ステーキやチキンなど、一般的により高価なタンパク質を選択するかもしれませんが、一方、価格に敏感な買い物客は、ソーセージやその他の低コストの代替品を探す傾向にあります。
 ダラス連銀の調査に回答した他の食品メーカーも、経済の健全性について懸念を表明しています。「不況に備えている」とはっきり回答したメーカーもあったそうです。
 アメリカではコロナ渦の収束以降、「K字回復」と呼ばれる現象が起きました。一部の富裕層が資産インフレなどでより裕福になる反面、アメリカの多数を占める中流下位から貧困層が苦しむ状況です。主に富裕層がもつとされるアメリカンエキスプレスでは今年に入り、300万枚以上の新しいカードが発行されました(時には数百ドルの年会費がかかることもあります)。米国のカード会員全体では、今年前半の3ヶ月間で8%も多く消費額が増えました。アメリカン・エキスプレス・カードの今年第1四半期の航空会社への支出は、前四半期から9%増加し、旅行・出張に対する一部アメリカ人の支払い意欲が引き続き高いことが強調されました。ファーストクラスの旅行は非常に高価ですが、その快適さが一部のホワイトカラーを惹きつけ、出張の復活に部分的にですが、結びついている可能性があると指摘しています。
 一方で、最大金利が36%にもなる、オリジネーションローン(救済ローン)が昨年の第4四半期に比べて80%も増加しました。いわゆるつなぎ融資にあたるもので、別の借金の支払いのためのローンであり、自転車操業です。この人たちは、学歴も低く、賃金の高い仕事に就けません。そういった人たちが、ステーキ肉やチキンを買えず、安価なソーセージを購入しているとされています。
 行き過ぎたK字がアメリカを蝕んでいるのかもしれません。
 当ブログにお越しいただきありがとうございました。

参考:Behind America's divided economy: Booming luxury travel and a jump in 'relief' loans (cnbc.com)