限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

地元と東京を行き来する日々。自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【雑談】チケット転売ヤーとJASRACとの関係と解決方法

音楽著作権転売ヤー

転売ヤーの問題がいつも話題になります。転売ヤー側としては、需要が発生するのだから、問題ない。転売価格が市場価格である、といった主張がX(旧Twitter)やヤフコメ欄などでも主張されることがあります。

確かに、何万円出してでも見に行きたいアーティストのライブというものは存在するでしょう。そこを考えると、原価である公式価格が安いから、転売ヤーが出てくる、とも言えなくなないですね。

消費者庁の審議会でチケット不正転売が起こる理由として専門家が次のように述べています。

前提としては、アーティストは全て自作の曲をライブで演奏しても、ライブのチケット売り上げが400万円を超える場合はJASRACに著作料を支払わなくてはなりません。そこを踏まえて次の発言がありました。

JASRACの演奏使用料の決め方も一つの要因であると言われている。JASRAC の演奏権使用料は、チケットの価格により影響を受けるが、3種類の価格の席があった場合、その価格の種類ごとに何席あったとしても、3種類の価格の単純平均額が基準となってしまう。そのため、100 万円の席を1席でも作ってしまうと、使用量が莫大になってしまう。これが全ての要因ではないであろうが、そういった事情もあり、過激な価格設定が難しいということもあるのではないか。経営努力として、チケット価格は数千円に抑え、楽屋に行ってサインをもらえる等の別のサービスを提供し、これはチケット価格とは別であるとして、チケット付きツアー等の形式をとることで、使用料が上がらないようにしている例もあると聞いている。そもそもコンサートにおける演奏権使用料は直接経費につながるため、コンサート収入では思うほど利益が上がるビジネスモデルではないため、使用料を節約するために、日本では全席同一価格ということになりやすい。」

例えば、100席のコンサートホールで99席を1,000円で売って残った席を特等席として100万円で売ったら、1席を500,500円で売ったと見なされて大きな著作権料をジャスラックに支払う必要があり、公式な高額チケットをアーティスト側が売れないという事情があるわけです。もちろん、アーティスト側も安易な高額チケット販売はファンとの間に溝を作ったり、新たにそのアーティストのライブを聞こうとする新規顧客の獲得の機会を失う、という面もありますので、JASRACの音楽著作権の値段の付け方だけが大元凶であるとは言えませんが、JASRAC側はもう少し、アーティストが自作の曲を演奏しやすいような環境を整える必要もあるかもしれないなと思いました。

なお、蛇足ながら、チケット価格に対して高額チケットもばんばん売るアメリカでも、次のような考え方があります。アメリカで最も人気のあるイベントとしてNFLナショナルフットボールリーグ)のスーパーボウルは高額転売が常識のようになっています。しかし、NFL側は「ファンとの持続的な関係を維持するため」として、NFL側が高額チケットを売ることはないとしています。

解決方法は?

ビットコインなどで知られる「ブロックチェーン方式」でのチケット販売が提唱されています。ビットコインのようにチケットをブロックチェーンにすることにより、いつ、いくらで転売されたかが分かるようになり、転売ヤーが得た利益の何割かをアーティスト側が請求することも出来ますし、あまりに高すぎると判断した場合、販売者を突き止めて中止させることもできます。法的整備など様々な準備が必要ですが、将来的には、十分にブロックチェーン方式が導入される可能性があると思います。

少し長くなりましたが、転売ヤーとチケット問題についての雑談でした。

当ブログにお越しいただきありがとうございました。

 

出典1:消費者庁第32回インターネット消費者取引連絡会
出典2:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「チケット転売問題の真の問題」