リパブリックファースト銀行の破綻
このブログは雑記ブログですが、アメリカ経済・アメリカ社会の今を知ることによって今後の投資活動や資産形成に役立てないかと思いながら、記事を書いています。
アメリカで新たな銀行の破綻がニュースとなりました。ロイターでは「米連邦預金保険公社(FDIC)は26日、経営不振の米地銀リパブリック・ファースト銀行(FRBK.PK), opens new tabを公的管理下に置き、資産を同業フルトン・バンクに売却すると発表した。」と報じています。連邦準備制度理事会(FRB)は四半期ごとに3億ドル以上の資産のある銀行のランキングを発表していますが、リパブリック・ファースト銀行は2129行の中で211位の資産を持つ銀行として公表されています。ペンシルバニアに拠点をもち32の支店を運営する、中規模銀行といったところです。
リパブリック銀行の2024年1月31日時点での総資産は約60億ドル、預金総額は約40億ドルとなります。結果として米連邦預金保険公社(FDIC)が管理下に置いた、預金などはフルトン銀行に譲渡されることになりました。フルトン銀行は、前述したFRBのランキングでは、2129行のアメリカの銀行のうち69位に位置する銀行で、資産額は、274億ドルとなります。完全な吸収合併ですね。そのため、預金は全額保護されることとなり、取り付け騒ぎが起きているといったニュースは入ってきません。株価は次の通り、価値はほとんどありませんが。。。
昨年、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の相次ぐ破綻が問題となりましたが、今年は初の銀行の破綻となります。構図は先の2銀行と似ており、CRE(商業用不動産)ローンの不振が原因となります。コロナ渦を経て、リモート勤務を行う人が増えて、商業用不動産の空室が目立ち、価格が大幅に下落しています。また、FRBによる高金利政策がCREローンの金利を押し上げています。そのため、商業用不動産を担保に資金の融資を受けている企業などが、支払いを出来ず、担保としている不動産も、貸出当時の価格を下回る評価割れを起こしてしまい不良債権と化しています。結果、地銀が破綻するという流れになっています。詳しくは、以前に書いた「【アメリカの今】高金利で商業用不動産危機・地銀危機がささやかれている事について」をご覧ください。
現在のところ、アメリカの景気は非常に強く、地銀1行の破綻で、アメリカ経済に大きな影響を及ぼすことも考えにくく、株式市場への影響も無いと言えます。しかしながら、商業用不動産の下落と、それに伴う一部金融機関の経営不安は完全には無視できないのではないでしょうか?注目に値すると思います。
当ブログにお越しいただきありがとうございました。
引用:【米地銀の閉鎖!】 地銀を襲う商業用不動産問題 (youtube.com)
引用:Federal Reserve Board - Large Commercial Banks - LBR - Release Dates
引用:Home | Republic Bank (myrepublicbank.com)