限界ギリギリのサラリーマンのセミリタイアを目指す海外経済・投資・雑記です。

自分の興味があるアメリカ経済や投資、普段の雑記的なことを備忘録的に書いていきたいと思います。

【アメリカの今】米国経済の2極化・格差化をサブプライム層の負債からみる

サブプライムってなに?

 アメリカでサブプライム層の負債が増加して言います。サブプライムショック(リーマンショック)は皆さんご存じかと思いますが、そもそも、このサブプライムとは何かをまずは改めて調べました。
 アメリカでは住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードの作成などにクレジットスコアが用いられます。BIG3と言われるExperian、Equifax、TransUnion の信用調査機関によって計算されます。スコアはFICOスコアとVantageスコアがありますが、借り手側から見るとそれほど大きな違いはありません。これは誰でも調べることが可能で、所有するクレジットカードの会社のHPなどで自身のクレジットスコアを知ることが出来ます。アメリカにおいてもっとも一般的なFICOスコアは300~850の範囲で表され、目安として700以上で良好とされます。参考までに2024現在の全米の平均Vantageスコアは701だそうです。このスコアは
・35%:支払い履歴(滞納、延納が無いか)
・30%:クレジット利用率(現在の最大の借金枠に対する借入比率)
・15%:クレジットカードの保有期間等
・10%:最近のクレジット調査(新たな借金をしていないか)
・10%:クレジットの種類
と言った内容でクレジットスコアが決まります。このクレジットが300~600の信用度の低い人たちをサブプライム、601~660をニアプライムとして、います。サブプライムショック(リーマンショック)時には住宅ローンの総額の23%がこの層であり、自動車ローンでは41%を占めていました。この人たちが、住宅価格の下落により、住宅ローンを返済しきれなくなり、この負債を組み込んだ金融商品が多数売られていたため、金融界全体の信用が収縮し、ショックが起きたことになります。

サブプライム層の負債の増加

 住宅ローンの総額の23%がこの層であり、自動車ローンでは41%を占めていました、と書きましたが、現在の全米の負債に占める割合は住宅ローンでは6%、自動車ローンでは28%となっており、サブプライムショック時の経験を活かし、金融機関が審査を厳しくしているため、かつてのようなショックを起こす状態ではありません。しかしながら、このサブプライム層の負債が増加しているというニュースが流れていました。

 YAHOOニュースでは、このサブプライム層が昨年より120万人増え、全米のサブプライム層が5000万人に近づいている、このことは、アメリカ経済への懸念でもあり、対策をすべきである、と報道しています。アメリカ経済は消費が堅調で住宅市場も堅調です。しかしながら低スコアのサブプライム層が増加しているいう事実はアメリカ経済の2極化、格差社会の進行を表していると言えるでしょう。

 こちらが、Vantageにおけるスコア別の構成割合です。黄色のサブプライム層が少しずつですが、着実に増え続けており事が分かります。
米国経済はソフトランディングするとの見方が依然として強いのですが、このサブプライム層が現在の米国の高金利の影響を受けないはずがなく、アメリカ経済を知るうえで、こういった見方もあった方が、今後の経済予想などへの幅も広がるのではないかと思い、まとめました。

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