会社を買う、が流行ってますね
最近、日本を支える中小企業です。中小企業庁では「中小企業は、我が国421万企業のうち99.7%を占める。 従業者数・付加価値額(製造業)においてもそれぞれ7割、5割以上を占める。 中小企業. 約432.6万社」とあります。400万も会社があるんですね。近年の高齢化で、「継承者がいない」「日本を支える中小企業が危ない」などと言われます。そこで、各都道府県や関連団体などが事業承継のマッチングサービスを行っている他、民間もM&Aに積極的に乗り出している状況です。当然、官民挙げて事業承継問題に取り組んでいるのですから、質の高い技術や人材を抱えた中小企業もあるでしょう。
会社を買うブーム
日本創生投資代表取締役CEOの三戸政和さんだ。著書『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』がヒットしました、先日のネット記事でも「脱サラ起業よりも
「会社を買う」方がいい理由」とyahooのPRESIDENT Onlineの記事を見かけました。しかし、実態はそう甘くないようです。
官庁のサービスや民間の事業継承マッチングサービスをこの間からずっと見ていますが、正直言って数ばかりで大した技術や資産もなさそうな会社がずらっと並んでいます。事実上、単に店舗の居ぬき物件を買うだけじゃないの?って会社がうんざりするほどありました。経済産業省の調べでは廃業理由の55.9%は将来の売り上げ見込みが立たない、というものです。個人補償が外せなかった、誰にも相談しなかった、などの理由もあり、そもそも、継ぐ価値のある会社が少ないことが分かります。
やはり甘くないですね
記事では「1つの目安とされる数字は、その会社の「純資産+営業利益3年から5年分」だという(絶対ではない)」と書かれています。しかし、それは財務諸表上の話ではないでしょうか?資産の内容を本当に突き詰めて調べなければ、その資産の価値は分かりません。知人の会社はサービス業で、一等地に物件を構えてます。資産的には上々です。しかし、経営者曰く「アスベスト物件だから解体工事を考えると資産価値など半分もない」との事です。マッチングサービスでは「不動産付き」「優良資産」など書かれているものありますが、怪しいものです。
また、近年は、中小企業基本法の見直しが議論されています。新たな創業に力を入れていくものの、生産性が低い中小企業の優遇を見直し、日本の産業構造の変化を促そうというものです。要は、古い中小企業の淘汰の時代が来る可能性もあります。良い会社がポンポンネットに乗るわけもないですよね。
そう考えると、セミリタイアに向けて強く興味を持った企業買収でしたが、まずは見送りかなぁと思いました。